「育てる?育てるってポッキーみたいに餌をあげたりするって事?」

ポッキーっていうのはお母さんとお父さんは知ってると思うけど前に飼ってた犬なんです。

真っ白の体で尻尾だけ黒い雑種、僕は大好きだったんだけど・・・・

和男君がバットで殴り殺しちゃった…

ソーセージをポッキーにあげようとしてたんだけどその時、指を一緒に噛まれちゃったみたい、

ポッキー頭をバットで殴られていっぱい血が出てた・・・足がぴくぴく痙攣してました。

ポッキー可哀想だったけど僕は何も言えませんでした。

その時の和男君、凄い怖い顔してたから・・・

何か言うと僕までバットで頭を殴られそうな・・・そんなこわいこわい顔・・・

「まぁ、そうだな ポッキーみたいに鎖につないでって感じかな?おもしれーぞ」

「そ・そんなの駄目だよ!お父さんにばれたら怒られるよ・・」

「大丈夫だよ!ばればきゃいいんだ!ばれなきゃ!お前由紀の事好きなんだろ?

自分だけの物にしたいだろ?俺たちで人間を飼うんだ、こんなおもしろい事はないぞ」

僕は怖かったです。正直言ってその場を逃げたかったです。

でもさっきも言いましたけど和男君は怒ると怖いから…

はい・・言うとおりにしました。

ただ最初は怖かったけど実際に幽霊屋敷の地下室で飼いはじめてからは

僕自身、楽しんでる部分もあったと思います。

一番楽しかったこと?うーん、やっぱり「にんげん観察日記」かな?

丁度、夏休みで時間もいっぱいあったし

せっかくの由紀ちゃんとの思い出をノートに残したくて・・・

初めから全部書いてあるよ、表紙の言葉は由紀ちゃんが書いたんだ、

由紀ちゃんが主人公の日記だからやっぱり表紙は由紀ちゃんが書かなきゃ駄目だよって

僕が由紀ちゃんに言って書いてもらったの。

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