第十五日目

「なぁ、純!ダーツやろうぜ!」

和男君はそう言いながら鞄からナイフを3本取り出しました。

「ルールは簡単!こいつを由紀に投げてたくさん刺さった方の勝ち!」

僕は正直気が進みませんでした。

でも和男君はやると言ったらやらないと気がすまない性格なので僕は渋々やる事にしました。

ナイフを人に投げるなんて生まれて初めての経験です。

「おいっ!!はやく投げろよ!」

和男君は後ろで腕を組みながらニヤニヤしてます。

「えい!」

僕は目をつぶって投げました。一本目、二本目は壁に当たりました。

どうか三本目も由紀ちゃんに刺さりませんように…

祈る気持ちでナイフを投げましたが神様はその願いを聞いてくれませんでした。

「ぐっ!痛い!いっ!!」

三本目は腕に刺さってました。

ぴゅーって感じで血が噴出してました。テレビとかで見るよりもいっぱい出てた様な気がします。

由紀ちゃんは泣きながらものすごい顔で僕を睨み付けてきます。

僕は思わず目を反らしてしまいました。わざとじゃないのに!わざとじゃないのに!!

それを見た和男君はいきなり由紀ちゃんの足にナイフを突き刺しました。しかも三本全部です!!

「ぎゃぁぁあああ!!!ぁあああ!!!かあさん!!かあさん!!」

絶叫っていうのはまさにこんな声をいうのかもしれません。

手足をバタバタして暴れまわってます。なんか下手くそなダンスみたいな感じでした。

暴れるたびに鎖が壁にぶつかってジャラジャラいってました。

「か・和男君・・投げないとルール違反だよぉ」

僕は言いました。
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