第二十日目
今日、刑事さんが家に来ました。
何となく前世はカマキリじゃないかな?って感じの分厚い眼鏡を掛けた刑事さんです。
僕は心臓が飛び出そうになりましたが大丈夫!表情には出てなかったと思います。
×月○日の4時から12時までの間どこにいたのか?とか
由紀ちゃんとはどれくらい仲が良かったのか?とか
部活動は何をしてるのか?とか(ちなみに卓球部です。)
夏休みの宿題は進んでるのか?とか色々聞かれました。
何でもクラスの皆に聞いてまわってるそうです。
だから大丈夫!僕が疑われてる訳じゃありません。
僕はカマキリ刑事さんが帰る時に冷蔵庫に冷やしてあったオレンジジュースを一本プレゼントしました。
カマキリ刑事さんはにっこりと笑いながら「ありがとう」って言ってくれました。
これで僕のポイント大幅アップ!だってこんな気の利く子が誘拐なんてする訳ないもんね!!
第二十一日目
観察日記は近くの文房具屋さんで買ったノートにつけてます。
和男君はよくその文房具屋さんで万引きをしています。この前もクレヨンセットを万引きしてました。
僕はちゃんと120円で買いました。
初めから読み直してみたらかなり内容が充実してきたような気がします。
でも一つ気になる事がありました。表紙に何も書いてない事です。
僕は観察日記に題名を付ける事にしました。色々悩んだ末に…・
「にんげん観察日記」
にする事にしました。それだけじゃ寂しいので由紀ちゃんに何か絵を書いてもらう事にしました。
「にんげん観察日記」とボールペンを由紀ちゃんに渡すとパラパラとページをめくって読んでました。
しばらく読んでると急に泣き出しました。
最近の由紀ちゃんは、ぼ〜っと天井を見つめて
口からよだれをずっと垂らしている事が多いので僕はびっくりしました。
表紙に何か書き始めました!!涙がポタポタと表紙に落ちてます。
僕は我慢できずに表紙を覗き込んだけどがっかりしました。
だって……
おにしか書いてないんだもの…
おにおにっておにばっかり・・・おにの字が由紀ちゃんの涙で滲んでました。
おにってどうゆう事?由紀ちゃん…由紀ちゃんは何も答えてくれません。